月刊ほくと新聞Hokuto News Paper

社長コラム 2024年1月号「能登半島地震」

2024年01月号

その時、私は帰省中の次男と一緒に自宅近くのイオンモール白山の1階にいました。

たまたま時間が空いたので食材を買いに行って、1階のスーパーで支払いを済ませ

歩き出した時に、何の前触れもなくいきなりスマホの緊急地震速報がけたたましく鳴りました。

とっさに2人で屈んで目の前にあった柱につかまっていました。

一度目はそれなりに揺れたのですが、まわりは比較的冷静で棚から物が落ちることもなく、

しばらくして収まったので次男と歩きだしたところで再度、

緊急地震速報が鳴ってその場で屈んだら大きな揺れがきて収まるのを待っていました。

館内放送で「この建物は免震構造で全く心配ありません」が何度も流れていましたが

イオンモール白山の1階は混乱することもなく、順番に出口へ人が流れていきました。

(・・あとから聞いたら2階・3階はガンコに揺れたそうです。)

正直、能登がそんな大ごとになっているとは思わず、

トイレを済ませて帰ろうとした頃から、県外の知人や仲間から電話やメールがどんどんきて、

ことの重大さに気づいて冷静さを失っていました。

慌てて自宅へ電話をかけて無事を確認してすぐに帰宅・・

そのあとはなるべく冷静でいようと思っていても全容がまったくわからず、

いろんなことが頭をよぎって自分でも混乱しているのがわかりました。

社員やそのご家族は大丈夫なのか?金沢市内にいたうちの家族は大丈夫か?

会社や製品は大丈夫か?仲間は?そして能登はどうなっているのか?・・

幸い我が家はモノが棚から落ちた程度でしたが、

時間を追うごとに少しずつ被害状況が明らかになり、余震が続く中、

ただ茫然とニュースを見るしかありませんでした。

 

今回の能登半島地震でお亡くなりになられた方々に対し、

心よりご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

そして一日も早い復旧・復興を願っています。

 

これが2024年のスタートです。

 

被害状況や復旧作業については報道にあるとおりで、

震災当日から自衛隊や消防、警察、医療従事者、建設関係者をはじめ

県内外からホントにたくさんの方々が能登に入られ、

休みなく救援活動や復旧作業にあたっていただいております。

極寒の中、ホントに頭の下がる思いであります。日を追うごとに少しずつ

状況は改善されつつありますが、まだまだ先は見えません。

同じ石川県内におりながら、一日も早い復旧をただただ祈ることしかできないのは

ホントに申し訳ないのですが、そんな中でもう少し冷静になって

これから我々に何ができるのかを考えていきます。

 

我が社の状況については、すでにSNS等でご報告させていただいた通り、

幸い大きな被害もなく1月5日より通常業務をおこなっております。

ただ、能登出身の社員をはじめ、そのご家族やご実家が被災した者もいて

会社としてできる限りの支援をしていきたいと思っています。

 

今年は我が社にとって節目の創業90周年の大事な年であります。

本来、創業日の本年2月11日に「感謝の集い」を開かせていただいて、

ご縁のある方々に直接感謝の気持ちをお伝えする予定でしたが、

今回の震災による被害状況や社会情勢を鑑みて、一旦取りやめとさせていただきました。

それに伴い、社員の皆さんとの創業90周年のお祝い会も一旦取りやめることにしました。

さらに今年はすでにご案内のとおり、新社屋の完成に伴う引っ越しをこの夏に控えております。

毎日毎日、同じ石川県内の被災地の状況を見たり聞いたりしていると

正直、我々だけがこんなお祝い事や新社屋への引っ越しをやっていいのだろうか?

普通に生活していていいのだろうか?と思うことがあります。

反面、なんでもかんでも自粛や中止にして経済活動を止めてしまったら、

いろいろなところに影響が出てきて、違う意味で疲弊し

元気な我々が被災地への支援もできなくなるのではないかと思うこともあります。

それぞれの立ち位置によって考え方、見方が違うので正直日々気持ちが揺れています。

今月はそんな気持ちの中で、どうすることが一番いいのかを毎日考えながら過ごしていました。

「これだ!」という明確な答えはまだ見つかっていませんが、

お亡くなりになられた、敬愛する澁谷工業の澁谷弘利前社長がいつもおっしゃられていた

「苦しいときこそ 常に明るく 前向きで」の言葉を思い出しながら、

これからもひとつひとつ判断していきたいと思います。

 

阪神淡路大震災・東日本大震災・熊本地震・・

当時、未曽有の甚大な被害と多くの犠牲をはらいましたが

今はそれぞれ復興して前に進んでいます。

日本は強い国です。能登も必ず復活します!

今年の我が社の経営スローガンは「みんなで変わる」です。

創業90周年や新社屋建設を機に次の時代に向けて、

そしてこの能登半島地震を経験して北都らしく変わっていかなければなりません。

そんな意味でも今年は大事な年なのです。2月はさらに復旧が進みます。

笑顔を忘れず、希望を持って元気に先頭を切って走っていきますので

今年もどうか宜しくお願いします。

 

今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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